2009年7月1日水曜日

Sunset Industry記念碑


ルール工業地帯はドイツ産業経済の中核です。昔も今もそれに変化はありません。

この地域の代表的企業Krupという鉄鋼武器生産の中核企業は(明治維新の際長州軍が輸入したアームストロング砲で有名)、戦前戦中ヒトラーを強力に支持しドイツの戦争遂行の動力機関車でした。それゆえにこの地域は英米軍の重点爆撃により廃墟と化しました。しかしこのルール工業地帯が潜在的にもつ工業生産力はドイツ敗戦後の復興の推進力となったのです。

しかしドイツ帝国復活を恐れる英米さらには他の欧州諸国はこのルール工業地帯を共同管理することになり 欧州石炭鉄鋼共同体(ECSC) が発足しました。それがさらに欧州経済共同体(EEC)、欧州共同体(EC)、そして欧州連合(EU)と発展してきました。

つまりこのルール工業地帯はドイツ産業の核心であるばかりでなく欧州をまとめる要でもあるのです。

重厚長大な重工業は時代遅れとなり、ITに代表される新たな産業モデルがドイツ南部に陸続と発展する中、ドイツと欧州経済に占めるルール工業地帯の相対的地位は下がり続けています。

Krupが競合するやはりこの地方を代表する企業Tyssenに併合されたのは1999年のことでした。そのことが何よりもドイツ経済の潮流を表徴していました。はたして斜陽産業に未来はあるのか?


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